認知症の研修会に参加

25日木曜日は、豊丘村で行われた下伊那北部地区の「行政職員のための認知症への理解・対応」講演会に参加した。
この講演は厚労省が進めている「認知症サポーター100万人キャラバン」の1つである。この運動は、認知症の人と家族への応援者である認知症サポーターを全国で100万人養成し、認知症になっても安心して暮らせるまちを目指そう!という取り組みの1つ。
今回の講演を聴講した職員は、「認知症サポーター」となり写真のようなオレンジ色のリストバンドをもらうことができるのだ。

講師の先生は、松川町の(株)ケアテックの尾曽先生。先生の現場の経験からくる話を聞いて何人か深くうなずきながら聞いている方々が多かったことが印象的だった。
現在、4人に1人が高齢者と言われる高齢化社会に日本は入っているが、特に注意しなければいけないのが、この高齢化のスピードなのである。また、この高齢者の中でも85歳の1/4が「認知症」になると言われている。現在の認知症患者は170万人、そして20年後にはこの数が2倍になると言われている。実は認知症は特別ではなく、身近なものであることを僕たちは自覚しなくてはいけない。
だから認知症は「異常」なものではない。治療方法は現在はまだない。予防がメインだが、だがみんなで支え合うことはできる。
ケアテックのスタッフ、そしてグループホームのスタッフが作成したDVDは、とてもリアルで(いろいろな意味で)、「実際こういうことがあるよなあ~」と思うような例を「良い例」「悪い例」の2つに分けて、わかりやすい説明だった。

特に、「記憶の壺」の表現は大変分かりやすく、戻ってしまった年齢によって(認知症の患者は生年月日は正しく言えるが、年齢は戻った年齢を言う)行動に傾向があることは勉強になった。徘徊や行方不明になってしまった場合、先生やケアマネと連携を密にすることである程度の行動の傾向がつかめると言う。
・30歳台には、どこで働いていたか?
・子育て世代なのか?そうじゃないのか?
実際、自分も消防団の時に人捜しに出たことがある。そういうときに、少しでもこのような連携の方法や知識を知っておけば、また違った行動ができたのかなあと思う。ぜひ、消防団にもこの講習を受けてもらいたい。そして認知症サポーターとなり団員がオレンジのリストバンドをしている…こういう高森町の消防団があってもいいなあ、と聞きながら感じた。

また、介護者にも周りの人の支えあいやサポートが必要とのこと。「財布がない」「食べ物がない」時に真っ先に疑われるのが嫁さんである。これは逆に信頼の証。「よかったね~、疑われるってのは一番お義母さんから信頼されているってことなんだよ。」の一言が大きいとの事。

最後は樋口了一さんの「手紙」という曲を聴きながら、「実は、みなさんよりみなさんの子供たちに、この認知症について理解を深めてもらいたい。未来は今まで以上に高齢化が進む。その時に大人である皆さんの子供たちに、本当は理解してほしいのです。」と尾曽先生は語った。尾曽先生の患者さんがショッピングセンターに女子高生に絡まれたらしい…そういうこどもにならないように、地域で支え合い学び合い、そして認めあっていけるまちづくりを考えたいなあ、と感じた。

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