20110506まちづくり基本条例 講演会

「まちづくり基本条例と地域発自治創造」~高森町発!まちづくりの新たなステージへ~

去る5月6日金曜日、あさぎりの郷杉の木ホールにおいて、首都大学東京大学院の大杉覚教授をお招きし、「まちづくり基本条例と地域発自治創造」というテーマで講演会を開催いたしました。参加者は議会・地区役員・役場職員合わせて約80名が参加しました。
大杉先生からは、まずはじめに3月11日に発生した東日本大地震について述べられ、被災した地域に限らず、このような災害時における自治のあり方、コミュニティのあり方が、全国的に再度問われている状態だとのお話しでした。

今、全国では200以上の自治体がこのまちづくり基本条例(自治基本条例)を策定していると言われています。そしてこの動きはここ10年間の間に急速に広まっています。それはなぜでしょうか?
1)わがまちの人々をもっと幸せにする
2)わがまちをもっと豊かにする
3)そうした想いをお互いに確認し合う
という3つの理由があるとのことでした。

また、まちづくり基本条例とは、どういうものなのか?というお話しでは、
1)地域の「かたち」を「見える化」する
2)「新しい公共」の強みを活かす
3)「地域経営」を目指すという3つの面を持っているとのことでした。

そして、このまちづくり基本条例をテコにして
1)自治体の経営に関する情報を町全体で共有する仕組みづくり
2)住民参加や協働の仕組みを町全体の目標(施策)に組み込む
3)新たな参加の仕組みを実験することを通じて、高森から発信する自治を作り出すことが重要であり、
東京都多摩市や青森県のおいらせ町の事例を分かりやすく解説して頂きました。

また最後にはこの「まちづくり基本条例」をフル活用して、3つのI(アイ)
1 巻き込む Involvement
2 情報を共有する Intelligence sharing
3 実感する Impact
で、高森発自治創造を目指しましょう!というエールを頂きました。

講演会終了後の質疑応答では多くの質問が出され、また大杉先生もそれについて丁寧に詳しくお答えいただきました。
「質問内容」・・・主なもの
・基本条例を制定後の各自治体ではどういう状況か?
→他自治体が作っているからと言って作って失敗している自治体が多い。条文があったからと言って人は動かない、自治基本条例を作るプロセスそのものが自治基本条例の中身である、そこをじっくり考えてほしい。協働や町民参加など自治体経営とはどういうものなのか?高森町としてどう考えていくのか?これが重要。
・パブリックコメントなどの声は今の声、そして振興総合計画などは10年間くらいの長期視点で策定されている。この関係性についてどうか?
→大変重要な点。そのような決断・判断をするために首長・議会という住民の代表がいる。時には憎まれ役になるかもしれないが、こういう町を作っていくんだ、という見識を示すことが必要。そのためにこのような仕組みがある。

「このように沢山の質問がでることは大変嬉しい。もしかしたら高森町には、もう自治基本条例が策定できる基礎ができているのかもしれない。こういう場を丁寧にきちんと作っていくことが必要。条例を策定するプロセスでもこういう皆さんの意見が出される場が沢山あることが大変重要。高森町の自治創造の場として考えていってほしい。」


今後、高森町ではこのまちづくり基本条例の制定に向けて進んでまいります。7月までに住民のみなさんによる検討委員会も立ち上げる予定です。自然豊かで歴史文化の香りあふれる高森町を未来まで残していくために、改めてこれからの「自治」のあり方について、町ぐるみで考えていきたいと思います。そしてこの講演会がそのスタートとしてなってほしいと思います。

高森町ホームページ内の「町長の徒然散歩道(エッセー)」でも、この講演会の様子が紹介されています。



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