20110926 寛流学林

高橋寛治さんを囲む勉強会、寛流学林のメモより。


今回の台風12号、15号の影響から
・大きな被害は無かったが…観光客は130万人、外国人が多い。3.11以降は特に仏人は全くいない。
・高野町は直接被害は無かったが、本宮、新宮などの高野山の入り口は打撃を受ける。
・これは本当に高野山に来たい人しか来ない、ということを表している。
・現在はピーク時の4割の来町数。内需の弱さが浮き彫りに。
観光推進の裏側
・地方の中央の隷属関係、賃金の安い方へ安い方へ動いていく経済の流れ。国内でも都市部から地方へ、地方から東南アジアへ。
・今までの流れは全て東京が中心で、貨幣の流れも東京へ。その中で地方はどのようにいくのか?
・そのためには、「いかに内需を作り出すのか?」が重要。こういう点を戦略的に攻めていくことが地方には必要。
スイス、ツェルマットに学ぶ、官民一体で作り上げた観光
素晴らしい自然…これだけでは動機にはなるがリピーターにはならない
・日帰りはお客様としては統計上はゼロ。地域への経済効果はゼロ。
ブルガーゲマインデとは、その地域に生まれ育った人が、自分たちの雇用のため、山岳地観光の発展のために活動している共同体
・上記共同体は、鉄道、ホテル、山小屋も経営している。
・ツェルマットの観光局は行政の傘下ではなく、観光協会の会費のみならず、観光税や観光促進税などの自主財源をもっている。
・しかもインフォメーションセンターでのミスマッチは許されないとのこと。
町並みの整備
・花壇の整備、植栽などは、全て「自分たちのまちを良くしたい」という想いからの自主的な活動
時間的消費
・観光を成功させるためには、観光客にその地で時間をたくさん消費させることが必要
・条例や上下水道、ゴミ処理の仕組みや制度でさえも全て観光である、という考え方が必要
清内路のタケロウ方式
・清内路のタケロウ方式とは「地元を中心に同じ円状で発想する」方式
・「伝統的なものを積極的に残そう」「元に戻していく」「元の形が見えてくる」
農村とは
・変化はしない
・表面的な変化はあるが、その本質はなかなか変わらない
・だからこそ巨大インフラによる資本の参入や今回の震災などが起こり、その本質的な部分が急に変わると一気に壊れる
都市とは
・変化こそがエネルギー
・変化で人やお金が動き、善悪ではなく、ここにエネルギーが生まれるのが都市
・こういう都市に共同体ができるのか?可能性があるとしたら「講」や「無尽」などの地縁ではなく「関係性」で繋がるもの。
今後の地域は
地域で資格(地域観光のプロ、案内人)などを作り出す仕組み→例えば南信州観光公社など
地域を限定して仕掛けていく、そうしないと巨大資本があっという間に入ってくる
・このような動きを単なるイベントではなく「運動体」にしていくことが重要。イベントと運動体はイコールではない。

この後、隣町の係長さんたちを交えてちょっとクロストーク。
・「この地域で人が出て行くのは『働く場所がないから』と片付けているが、最近疑問に思っている。」
・「視点を変えて探せば、この地域にはたくさん雇用やビジネスのチャンスがあるのではないか?
・「だから『働く場所がない』で終わるのではなく、『新しいビジネスを創りだしてくれる人』を呼び込むことが必要。」
・「さらに、そういう人を育てていくまちづくりが必要なのではないか?
と、こんな話になった。

以前より僕は「『南信州でのライフスタイル』が十分ビジネスになる、そういう観光コンサルが必要」という意見を持ってきた。
World Cafe: リニア
リニア検討委員会での発言

ここにしかない生き方、ここでしか出来ない生き方、を望む人は十分いる、と思う。そんな中で、隣町の先輩方から同様な意見が出たのは、正直嬉しかった。
道のりは長い、でもやり続けるしかない、ですね。




★今日のキラーフレーズ★
実はこれ、自分でつぶやいたんだけど、意外とRetweetされました。でも、ホント、この通りだと思っています。




★今日のミュージック★

尊敬するアーティスト、DJの一人、TEI TOWA。
曲は名曲「FREE」。麻生さんがキレイ!

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