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大森彌教授の基調講演より
最近の日本の動向を見て感じる事
・明治以来の都市文明の行き詰まり・日本を支えてきた農山村漁村の文明を見直す機会
・日本が導入した欧米型の拡大主義→大きいことは良いこと、小さいことは悪いこと?
・大きいものは認めつつも、小さいものにこそ価値があるのではないか?
・これを研究者としてグランドセオリーにするのは難しいことだが…
人口問題について
・動態を長期的に見る・社人研の人口推移は精度が高い
- 1900(M33)4,385万人
- 2000(H12)1億2,693万人
- 2008 1億2,808万人※ピーク時
- 2100 4,959万人
2100年には明治時代の人口に戻る。当たり前のことだが、今の生活水準は維持できない。
・この人口減少問題の課題解決に取り組んできた先進国がフランス→減少のソフトランディング化、逆に人口が反転!
・フランスは女性の妊娠や子育て環境の充実に努めてきた
人口減少・少子高齢化の原因は?
・妊娠中及び新生児死亡率がぐっと下がってきたことが原因。・社人研では以下の3点を原因としている
- 未婚率の上昇…世間の常識(社会的規制)の変化・緩和。対策には国籍法の改正が考えられるが日本では難しいのではないか(日本は血統主義、アメリカやカナダは出生国主義)
- 晩婚化…高等教育の在り方から見直す必要がある。日本が高等教育を修了しないと結婚できないという価値観がある。若い世代で出産し子育てできる環境づくりが必要。
- 出生実数の低下…第2子、第3子の出生数の減少。共働き夫婦こそ出生数が高いというデータが出ている。休日に亭主が7時間以上子育てや家事をやっている場合は、第2子、第3子の出生数が増えるというデータもあり。
・母性は母親だけのものではない。父親も母性を持てる。それはケア=愛情・思いやりの心のこと。子育ては男女共通の課題である。
増田レポートについて
・以前は従属人口比率が問題となったが、今では幼年人口・生産年齢人口・老年人口の3区分がいずれとも減少している地域がある。・地域消滅という言葉。ただし人口減少で地方は消滅しない。法人格である公共団体の看板を下ろさなければ、地方は消滅しない。
・だからこそ、自分たちで自治を守る、守り抜くんだ!という気持ちが必要。
質問者から
「ひと・まち・しごと法」について・あの条文を読解すれば、「からっぽ」法だと言える。これは良い意味で、その中身を埋めるのは各市町村の役割。
・介護保険にしろ、この法にしろ、根底にあるのは「自立支援」。「補完性の原理」の考え方がそこにある。
・この法は行政計画という位置づけだが、本来は以前の総合計画のように議決案件にすべきくらい重要なものになる。
・介護保険制度については設立時の関係者だったが、今では、全国的にある程度高齢化対策は進んだと見ている。
・今後は高齢化対策から子育て・教育施策にシフトすることが重要となると見ている。
大森塾長の書籍
これはKindleも出てますね!白川町長のお話しで出てきた『論語と算盤』
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