オススメ!書籍『イシューからはじめよ』を読みました。



読んでみて思うのは、「論文を書く前に読みたかった」っていうこと。気になった部分をKindleのハイライト機能を使ってメモ。少しハイライトした部分をご紹介。

考えると悩む

「〈考える〉と〈悩む〉、この2つの違いは何だろう?」  僕はよく若い人にこう問いかける。あなたならどう答えるだろうか?  僕の考えるこの2つの違いは、次のようなものだ。 「悩む」=「答えが出ない」という前提のもとに、「考えるフリ」をすること 「考える」=「答えが出る」という前提のもとに、建設的に考えを組み立てること

(中略)「悩む」と「考える」の違いを意識することは、知的生産に関わる人にとってはとても重要だ。ビジネス・研究ですべきは「考える」ことであり、あくまで「答えが出る」という前提に立っていなければならない

犬の道

「労働量によって(中略)というこのアプローチを僕は「犬の道」と呼んでいる。」

世の中にある「問題かもしれない」と言われていることのほとんどは、実はビジネス・研究上で本当に取り組む必要のある問題ではない。世の中で「問題かもしれない」と言われていることの総数を100とすれば、今、この局面で本当に白黒をはっきりさせるべき問題はせいぜい2つか3つくらいだ

本当に右上の領域に近づこうとするなら、採るべきアプローチは極めて明快だ。(中略)つまりは「犬の道」とは反対の(中略)アプローチを採ることだ。まず、徹底してビジネス・研究活動の対象を意味のあること、つまりは「イシュー度」の高い問題に絞る

一次情報

「一次情報を死守せよ」というのは、私の大先輩が授けてくれた珠玉の教えのひとつだ
現場で情報に接するときに、どこまで深みのある情報をつかむことができるか、それはその人のベースになっている力そのものだ。その人の判断尺度、あるいはメタレベルのフレームワークの構築力が問われ、ここは一朝一夕で身につくものではない。知能や学歴は高いが、知性を感じない人が妙に多いのは、この力の重要性が忘れられているためなのではないかと思う
脳は脳自身が「意味がある」と思うことしか認知できない。そしてその「意味がある」と思うかどうかは、「そのようなことが意味をもつ場面にどのくらい遭遇してきたか」によって決まる
一次情報に触れた際には、現場の人の経験から生まれた知恵を聞き出してくる。読み物をどれだけ読んでもわからない勘どころを聞き、さらにその人がどのような問題意識をもっているかを聞いておく。現在の取り組みにおけるボトルネック、一般に言われていることへの違和感、実行の際の本当の押さえどころなどだ。お金では買えない知恵を一気に吸収したい

イシューの見極め

イシュー見極めにおける理想は、若き日の利根川のように、誰もが「答えを出すべきだ」と感じていても「手がつけようがない」と思っている問題に対し、「自分の手法ならば答えを出せる」と感じる「死角的なイシュー」を発見することだ。世の中の人が何と言おうと、自分だけがもつ視点で答えを出せる可能性がないか、そういう気持ちを常にもっておくべきだ。学術的アプローチや事業分野を超えた経験がものをいうのは、多くがこの「自分だけの視点」をもてるためなのだ

絵コンテ

絵コンテづくりで大切な心構えは「大胆に思い切って描く」ということだ。 「どんなデータが取れそうか」ではなく、「どんな分析結果がほしいのか」を起点に分析イメージをつくる。ここでも「イシューからはじめる」思想で分析の設計を行うことが大切だ。「これなら取れそうだ」と思われるデータから分析を設計するのは本末転倒であり、これをやってしまうと、ここまでやってきたイシューの見極めもストーリーラインづくりもムダになってしまう

Note: 総合計画における政策や施策の内容検討や体系作りにも共通する。


アウトプット

ひとつ、聞き手は完全に無知だと思え  ひとつ、聞き手は高度の知性をもつと想定せよ  どんな話をする際も、受け手は専門知識はもっていないが、基本的な考えや前提、あるいはイシューの共有からはじめ、最終的な結論とその意味するところを伝える、つまりは「的確な伝え方」をすれば必ず理解してくれる存在として信頼する。「賢いが無知」というのが基本とする受け手の想定だ
僕が米国での研究時代にお世話になったある教授に言われ、今も大切な教えにしている言葉がある。 「どんな説明もこれ以上できないほど簡単にしろ。それでも人はわからないと言うものだ。そして自分が理解できなければ、それをつくった人間のことをバカだと思うものだ。人は決して自分の頭が悪いなんて思わない
「人から褒められること」ではなく、「生み出した結果」そのものが自分を支え、励ましてくれる。生み出したものの結果によって確かに変化が起き、喜んでくれる人がいることがいちばんの報酬になる。仕事がうまく進んだとき、僕が感じるのは「うれしい」というよりも「ほっとした」というものだ。クライアントや自分の会社に約束した価値を無事届けた、このこと自体が何とも言えない達成感を生む

まだ、今の自分では達成できていないが、自分ではこういうスタイルを確立したいと思う。




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