祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の世の夢のごとし
たけき者も遂には滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ
最近、中国古典の一つ「易経」の解説本を読んでいる。この『易経』は四書五経の一つで、ビジネス書として解説されていることも多い。僕の尊敬する人から薦められたからもあるが、意外と著名な経営者は中国古典を読んでいる人が多い。もちろん行政職員としても、大変参考になる古典の一つ。
この「易経」も陰と陽の関係から「時の理(ことわり)」を述べていて、この平家物語の一節のように隆盛なる時があれば滅する時もあることを表している。平家物語のこの一節は易経と同様に、太陽の時代から月の時代への無常の流れを表している(と思う)。
いくつかの古典や偉人の伝記を読むと感じる共通のKEYWORDが、僕は4つある。
「分別」
「時間(時感)」
「芯」
「つながり」
「分別」とは、自分の立場を常にわきまえ、謙虚であり、そこから生まれる向学の心をいつも持つという事、「時感」とは僕が作った造語で上の分別とも繋がるが、その場その場の「時を読み感じる力」と「行動を起こす力」、「芯」とは、自分の信念、そして自分の目指す姿をいつも思い描いている、ということ。そしてそのような人間の下に、人は自然に集まり「つながっていく」ということでしょうか。
もちろん、その先に常に「民」がいることは言うまでもありませんが。
この平家物語の一節を読む度に、自分の欲や怠慢、驕りへの戒めを感じるようになれたらなあと思う、今日この頃。
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