当町で導入したCMSに関しては、僕には2つの利点があると考えている。
1)スピーディーな情報発信
今までは各担当者がホームページ作成係に原稿等をメールなので送信し、それを手作りでHP作成係が一人で作成していた。これだとその職員が一人だけ負担を追うようになり、どうしても情報の新鮮さが失われる可能性がある。その点今回のCMSは基本的に担当者個人が原稿や資料等を専用ソフトでコンテンツを作成し、直属の上司(課長級)にメールにて申請を行い、電子決裁を受けることでデータがアップされる。全く情報のスピード感が違う。2)庁内分権
前述したが、作成したコンテンツに関しては基本的に直属上司が公表するかしないかを判断する。これはいちいち理事者に伺いをたてなくても課長の裁量で情報を公開できる可能性を秘めている。僕は基本的に情報はどんどん公開すべきだと思っているので違和感はないが、これは庁内の中でも分権の一つと捉えている。このように良いことづくめだと思われるが、大きな課題もある。
1)情報の表現と質の統一感
今まではHP作成係が与えられた原稿や資料からコンテンツを作成していた。一人で作成する利点は表現方法や情報の質が一定に保つことが安易だったが、職員全体が作成できることを考えるとこのあたりの「ずれ」が出てくる可能性は高い。これをどう統一していくかは課題の一つ。いかに理解しやすく行政言語をつかっていないかが必要だと個人的には感じている。また分かりやすい文章とは内容とともにレイアウトのようなデザインのセンスも必要になる。いかに普段から見やすい、読みやすいを意識しているかはとても重要である。2)所詮は人の意識
CMSでスピーディーな情報発信ができようが庁内分権ができようが、職員個人個人の意識改革がないと意味がない。極端な話、「この情報は町民の方々には必要だ。」「僕が外部の人間だったらこの情報は欲しいな」と感じる目線が必要だ、という意味である。職員にはこの意識があるだろうか?費用対効果を考えているだろうか?何が怖いというと宝の持ち腐れになることが一番怖い。所詮はCMSなどソフトを使用するのは人間である。CMS導入が目的ではない。その先にあるものが目的なのである。最近では庁内でグループウェアを導入している自治体は多い。かくいう当町もしかり。でも本当に生かされているだろうか?そして職員にはその意識があるだろうか?ITを活用するのは基本的には効率化である。だがその活用を考えるのは人間の意識だと思う。このあたりを忘れてしまうと導入が目的化してしまう。僕たちはこの危険性を常に忘れてはいけない。
P.S.
今回のホームページのリニューアルに関して、いくつかのコンテンツを作成した。だいたいこのようなページには事業等の「良い点」や「良い効果」しか掲載しないものだが、あえて僕が作ったページは「課題」が書いてある。そのあたりも気にしながら読んでもらえれば嬉しい。
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