自治基本条例の第二段階とは?

現在の全国的な自治基本条例策定の波は「第二段階」にいる、と言われている。書籍やWEB情報から得た知識とそれから気づいた点を忘れないために、自分のメモ的にエントリー。



ニセコの呪縛とは?
10年前にニセコが自治基本条例を策定したときに、その動きは全国に広まった(実は当町の町民参加条例も当時の書類を引っ張りだすとニセコ町のまちづくり基本条例のコピーなどが出てきて、かなり意識して作ったことがわかる)。しかしながら、制定したからと言って自治の仕組みがニセコのように高まるのではなく、またどの条例もニセコの条項とそっくりという事例が噴出した。これが俗にいう「ニセコの呪縛」と呼ばれるもの。

呪縛からの解放 〜第二段階の意味とは?〜
ニセコの自治基本条例は素晴らしい、その素晴らしいのは「今までやってきたことを守る」ため、そして「明文化・法制化して未来につなげていくため」だから。これを他の自治体では「自治基本条例を作れば、ニセコのように自治が向上する」と勘違いしてしまった。また、どの自治体も「自治基本条例」と言えば(ニセコと全く同じく)「情報公開(共有)」「住民参加」が出てくるが、これも呪縛の一つ。なぜならば、前述したとおりあくまでもニセコの場合は「実践してきたこと」の2つの柱が「情報公開(共有)」「住民参加」であったから。
これから作る自治体は、このことに気を使う必要は全くない。現在の全国的な自治基本条例策定の波の「第二段階」の意味は、「自治基本条例を策定する過程などで、住民が自治またはまちづくりに対して真剣に考えるきっかけや仕組みをどう工夫していくか?」「そこから自治の向上へ向けてどのような条例がよいのか?」「自分たちの町でやってきた良い実践はそもそも何で、それを守って繋げていくためにはどのような条例が必要か?」ということを考える段階である、という意味だととらえている。

自分の町をふりかえる 〜自治とは?〜
ここからは個人的な意見だが、わが町の場合はどうなのか?当町も約20年前より「住民参加」のまちづくりを掲げ、またそのような町を目指し各種の取り組みを行ってきた。地区計画や女性ふるさとづくり事業などはその代表。と同時にあまりにも自治組織という枠に偏りすぎてきた感もある。これは自治組織自体を否定するものではなく、自治組織同士のつながりや自治組織を超えたつながりなどを閉じ込めてきてしまったのではないか?ということ。大きくまちづくりのへの参加とは、お子さんを通じての保護者会やPTAの活動もそうだろうし、最近では任意団体やNPOなどの活動もある。このような自治への参加のあり方、住民参加のあり方についてはどうだったのか?をじっくり検証する必要がある。
また、本来「自治」組織で一番重要な「自治」の力を、いままでの行政の仕組みや制度は自治組織から奪ってきたのではないか?と感じる。今まではどちらかというと「財政的な支援」「ハード面での支援」などが多かったと思う(今も続いている)。これは当町だけではなくその他の自治体でも同様だったと思うが、そのことが町民の皆さんの「工夫する力」「自ら活動する力」「自ら考える力」「自ら判断し責任をとる力」を奪ってきたのではないか、と感じてしまう。
この点から考えても、今後のまちづくりを考える上で、それぞれの立場に立った義務、権利、責任を明確にする必要がある。

このように短時間だが自分の町を振り返っても、その地域特性が浮かび上がる。自治基本条例の策定は、まさにここから始まるのだと思う。

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市民自治のこれまで・これから

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