リンダ・グラットン著「LIFE SHIFT(ライフシフト)」
ある講演会の中で、長野県参与である船木成記氏から2017年ベストセラーとなったリンダ・グラットン著「LIFE SHIFT(ライフシフト)」を紹介された。この本の中で、2007年に生まれた日本人は107歳まで生きる確率が50%であると試算されているとしている。これは「人生80年」が前提で語られてきた今までの「学生時代を勉強で過ごし、60歳過ぎまで仕事を頑張り、その後は引退」というライフステージのあり方が変わることを示唆している。また、今までの「若さ」「老い」という概念は崩れ、その境界があいまいなものとなる。
今、どの市町村も子どもたちの教育や子育てに重点を置いている。前述のような時代を迎える彼らにとっては、この分野に力を入れることは重要だ。彼らが大人になる時代は、各人の働き方や生き方は多様性に富み、今では全く考えられない価値観が生まれているはずだ。
今の40~50代は時代の先駆者!?
だが冷静に考えてみると、その時代が良いものになるか悪いものになるかは、今を生きる私たち大人たちの力ではないだろうか。前述の著書の中でも今の40~50代の人に訪れるのは「スキルの価値が瞬く間に変わる時代」であり「手持ちのスキルでよしとせず、新しいスキルの習得に力を注がなくてはならない」としている。言い方を変えれば、今の40~50代は、これから起こるだろう「スキルの価値が瞬く間に変わる時代」に最初に足を踏み入れる先駆者(開拓者)となりえるのだ。
「大人の学び」
こう考えると、今、子どもへの教育より重視されるのは「大人の学び」ではないだろうか。常に学習し、変化に対応し、多様性を認める力量があり、その知識に基づいて行動することが必要なのは、大人なのではないだろうか。ここで、これからの公民館や社会教育の在り方が問われる。船木氏も「これからは公民館・社会教育の出番だ!」と言い切っている。
さあ、今こそ大人が学ぶ時代だ。今まで手が伸びなかった本を手に取るのも良い、今後のことを考えて新しい資格を取るのも良い、もちろん、公民館に来て、みんなで勉強会を開催するのもよい。
最後にこの言葉を伝えたい。これも船木氏の言葉だ。「幼少期から地域行事や伝統芸能に参加するとUターン率が高くなる、という研究が進んでいるが、そんなことはない。本気の大人の姿を見せれば、子どもは地元に残るし、戻ってくるんです。」
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