こども議会について考える

去る2/6、当町でこども議会が開催された。昨年度、町制施行50周年記念事業としてはじまった本事業は今年度より「たかもり★みらい議会」と名を改め、職場の先輩が組み立ててくれた事業の骨組みを引き継ぐ形で、僕が担当した。

欧米諸国では、もはや当たり前にこどもが地方政府の仕事に携わったりふれあう機会が多いとのこと。確かに日本は後進国だろう。

こども議会とは、ネットで調べるとかなり多くの自治体が行っている。僕が考えるに、こども議会には3つの目的があると思う。

1.こどもの視点から町政へ

一つは、「こどもの視点から町政への提案、意見をいただく」という視点。実際、こどもたちの視点にはとってもびっくりすることがある。昨年度のこども議会の際には、特に環境の分野に関しては「え〜、そういうことか〜」と感じることがたくさんあった。また中学生ぐらいになると予算の事や町の施設の収益やPR不足の点などをついてくる質問もあった。今回の議会でもこどもたちから「PR不足」をつかれるなど、こどもたちの視点は本当にぶれていないことに驚く。

2.「地方自治」「住民自治」について考えてもらう

二つ目は、実際の議場を使用し、町議会議長などからの学習会も含め、「議会」の仕組みとその流れから「地方自治」「住民自治」について考えてもらう機会を作る、という目的だ。いわゆる間接民主制のあり方や選挙など、普段こどもたちは大人の会話から言葉を聞いているが、実際議員を体感することで自分たちで真剣に考えるきっかけとなるはずだ。

ここまでの話の中で、一つ目の点を重視するなら「議会」という形式をとらずとも、懇談会形式や車座集会タイプで行っても良い。ただし、二つ目の点が絡んでくるとやはり「議会」形式をとるべきだと考えている。そしてやはり「議会」形式を通してやるとなると通告制を採用される。

3.職員の研修

さて、問題の三つ目。これは職員の研修という意味である。いかに普段「行政用語」を使い、わかりにくく情報を住民に提供しているかが本当にわかる。やはりこどもにわかるように説明できなくては、住民と「情報を共有」しているとは言えない。また、こどもたちの意見はとても素直で、それだからこそ真剣に答えてあげなくてはいけない。数字のマジックや駆け引きなどは必要ない。だから普段から職員は自分の仕事に「想い」を持っていないと、こども議会では説明できない。こどもたちが聞きたいのは数字などではなく、「どんな町に高森町をするために役場のおじさんたちは働いているの?」という点だと僕は思っている。


最後に、今回の仕事を通じて、ある言葉が頭をずっとよぎっている。それは昨年7月にお呼びし、講演をしていただいた北海道ニセコ町の片山健也さんの言葉だ。
「こども議会はおもしろい。やってみると職員資質のレベルがわかる。いかに自分の仕事を把握していて、噛み砕いて説明ができるのか、これはすぐにわかる。」と。
本町はどうだっただろうか?あえて書かないが、僕は改めてこども議会の「有効性」を見いだすことが出来た気がした。

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

堀です。
「サルでも分かる○○○」という説明を作る作業って、結構センスと経験がいる作業ですよね。僕らも「患者説明」という命題を渡され、以下に少ない言葉で的確に説明できるか について検討しています。子どもの着眼点には驚かされるし、そこに気づける大人でいたいものです。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

ZenBack