高森町にある精密機器の企業、協和精工さんへ当町の行政評価担当課長、人材育成担当係長、商工担当の係長を誘って、今日は視察へ。社長の堀さんには、大変無理を言って時間を作ってもらった。
協和精工の取組は長野経済研究所が発行する「経済月報」でも取り上げられたほど、素晴らしい取組を行っている。
2011年度バックナンバー‐長野経済研究所
2011年5月号に協和精工さんの特集が
2011年5月号に協和精工さんの特集が
堀社長自体も、講演を行ったり、自分の勉強のために全国を飛び回る人。実は月一回、堀社長がリーダーで異業種間の勉強会(名称:ブレインワーキング)も行っていて、僕もそこに参加している縁から、今回のこの視察を無理やりお願いした次第。
まずは工場の見学。目についたのは、社員の皆さんの改革改善の取組や進捗状況、売り上げや利益などがグラフやわかりやすいパネルなどで「見える化」されていること。何枚か写真を撮りましたが、大変参考に。
一通り工場内を見学させていただいた後は、堀社長、下井相談役と意見交換。以下はそのメモ。
・堀さんが社長になったのは13年前。そのときはいつでもつぶれてもおかしくない会社だった。そしてこの危機感をどのようにして社内で共有するかどうかに頭を悩ませていた。
・堀さんが徹底したのは「オープンにすること」。大変な状況を数値やグラフにして、工場内に貼り出すことを行った。それによってやめる社員もいるかも?と考えたが、まずは情報をオープンにした。社員の協力がなければやってこれなかった。
・情報を出すにはタイムリーに出すことが前提。これによって早い段階で課題や問題にも対応できる。そのため毎日の売り上げがわかるような仕組みづくりを行い、これまた工場内で貼り出すことで社員と危機感や目標などを共有してきた。
・このようにすると社員の中に時間を含めたコスト意識が生まれてきた。最初は自分たちの製品がどれくらいの価格で売られているのかも知らない社員が多かった。このような取組は最初はトップダウンだったが、そのうち社員からアイディアが出てくるようになった。
・部署を超えたメンバー8人くらいで「あーでもない」「こーでもない」という会議を行って、情報共有や課題共有、目標共有などを行っている。このようなプロセスを顧客や銀行には説明し、信頼を獲得し、協和精工のブランドとなっている。
・自立した企業を作っていくために「大手がやらないこと」「お客様のニーズに応える」ことをやった。
・最初から上手くいったわけではない。利益的にもよくなってきたは、ここ数年。最初は「金は社長がなんとかしてくれる」「金がないって上は言うけど、本当なのか?」という社員がほとんどだった。
・常に「会社全体で共有するには?」「一緒のベクトルに進むにはどうしたらよいのか?」ということを考えてきた。これは社員全員が「経営」という意識を持つことだった。
・仕組みに関してはシンプルが一番。
・私募債については債権者に自分の将来像やビジョンをわかりやすく伝えることを精一杯行った。
・まずは情報をオープン、そして一緒に考える仕組みを作る。
・理念とは言葉だけじゃなく「身体から発信」「身体から染み出る」ものでなくては意味がない。そのため月2回、2時間程度、幹部層で会議を行う。報告会議ではなく双方向による「議論」。今後はGE社のワークアウトを導入したり、ファシリテーターの育成も行っていく。
・これからの企業は人材育成がカギ。考える社員を作ること。
・例えば「どんな職場がお客様から信頼されるのか?」こういうことを日頃から議論して「考える社員」を育成することを心がけている。
・5Sの取組にしても、なかなか中身まで本当に実践できている企業は少ない、というか殆ど無い。だからこそこの本質の部分が重要だと感じているため、再度取り組む。今度は女性社員と社長がその推進チームとなり動き出していく。
・ホットサークルとは、QCの取組から社内で独自で自主的に始まった改革改善運動のこと。4ヶ月を1クールという単位で考え、チームで課題を解決していく。1クールごとに成果発表を行い点数をつけ順位づけを行い、報奨金を支払う。
・改善提案活動は個人で行うもの。これも社内で改革改善を行うアイディアを募集し表彰するもの。時間を費用に置き換え改革改善から生み出される利益を算出している。
・このようにチームでの改革改善と個人での改革改善が両輪で動いている。
・トップとしての判断は経営理念と企業理念に立ち戻る。そして部署ごとにその理念を具体的にどういう行動になるのか?を議論させ、まとめさせ、共有している。理念等を突き詰めていくと、最後には「社員の喜び」「その家族の喜び」となる。※中国古典『大学』にも通じるところあり
・将来像を描くのはトップ、それに対して行動するのが社員。そのすりあわせが経営理念や企業理念ではないか?
・このようにトップ・幹部層と社員の思いを共有する手段として月1回の社内報の発行がある。A3の左半分は社長自らが書いている。会社の売り上げや利益などを隠さずすべて公表している。
・10年後に何をやっているか?何をやるべきか?というのを嗅ぎ分ける力は、幹部層、特にトップには必要。
堀社長自体も、社員から社長になってみて初めて会社全体の経営状況がわかったとおっしゃっていた。それよりも「社長でもわかっていない状況だった」とのこと。そのような経験をされた中で「何でもオープンにする」、「何でも何度も議論する」、という組織風土をつくる取組をしてきたのかもしれない。
また人材育成を行う中で「経営感覚を持った職員」「考える職員」を育てる、社長が有能でなくても素晴らしい会社になる=「経営の標準化」を目指している、とのこと。
また人材育成を行う中で「経営感覚を持った職員」「考える職員」を育てる、社長が有能でなくても素晴らしい会社になる=「経営の標準化」を目指している、とのこと。
冒頭の内容に戻るが、当初は確かにトップダウンだった取組が社員個人個人の自発的な取組に変わってきている、その表れが「業務の見える化」につながっていると感じた。
★昨日のエクササイズ★
★今日のキラーフレーズ★
・心が変われば、行動が変わる。
・行動が変われば、習慣が変わる。
・習慣が変われば、人格が変わる。
・人格が変われば、運命が変わる。
(米心理学者 ウィリアム・ジャームズ)
★今日のミュージック★
キマグレン/LIFE
この曲のスポーツバージョンもかっこE!
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