少し、というか超マニアックネタ
決算カードって知ってます?簡単に言えば、全国の自治体の基本的な財政情報が一枚のカードになっているものです。例えば、ある市町村に視察に行く、または視察に来て頂く時に、このカードを見れば、だいたいの規模や財政状況等が分かります。ただ、やはり行政職員ではないと難しい情報かもしれません。
総務省|地方財政状況調査関係資料|決算カード
「総務省 決算カード」でググる
「総務省 決算カード」でググれば、一番最初に出てきますので、見たい都道府県、市町村を選択します。実は、こういう情報ってのは、しっかり出ています。ただし、あまり活用することがないので、あまり皆さんは知らないかもしれません。
ただし、こういう情報があるってことは知って欲しいですね。
決算カードを活用して「その市区町村の予算編成時における、おおよその歳入不足額を算出する」
で、活用の一つですが今回ご紹介するのは、本当にマニアックネタです。昨年の5月にJIAMに研修に行った際に、小西砂千夫関西大学大学院教授から教えて頂いたネタです。決算カードの数値から、簡便的に「その市区町村の予算編成時における、おおよその歳入不足額を算出する」方法です。
あくまでも「簡便的に」算出する方法ですので、そこはご理解下さい。
また、ある程度財政の知識があることを前提に説明します。
- 実質公債費比率を算出する公式より逆算し、決算カードにある「実質公債費比率」「標準財政規模」から、公式の分子である公債費を算出します。この公債費は、すなわち公債費の中でも事業費補正等などで需要額に算入されない「非算入公債費」になります。
- また、地方税の額に25%を掛けることで「留保財源」を算出します(本来は、収入額を算出するには100%のものと75%のものがあるので正確ではないですが、簡便的に一律に25%を乗じます)。
- このように算出した「非算入公債費」と「留保財源」を比較します。「非算入公債費」−「留保財源」がマイナス(別の見方をすれば、「留保財源」/「非算入公債費」が1以下)であれば、「留保財源」で「非算入公債費」を充当しきれていないことになり、なかなか財政状況が厳しいことになります。
下図を見て頂ければなんとなく雰囲気がわかると思いますが、需要額に算入されない公債費の部分は、「留保財源」で見ることになります。
この考え方を活用すれば、「留保財源」/「非算入公債費」=1以上を目標値に設定し、それぞれの市町村の理想的な実質公債費比率を算出することが可能です。また、そこから起債発行額を算出することも可能です。
このような分析をする場合「精緻さを求めるより大まかなトレンドを求める」ことに注力したほうが良いと思います。
このネタが、どれだけの方に役に立つかどうかわかりませんが、とりあえず自分の備忘録代わりにアップします。
小西先生が書かれた著書
オススメ!
決算カード等を使った財政診断の方法は、この本も分かりやすかった〜
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