20110617関東甲信越ブロック建築士会 長野大会IN松本


20110617関東甲信越ブロック建築士会に参加。2日間行われるうちの初日に参加。東京理科大学の川向教授の講演会に参加。長野県内でも先進自治体である小布施町の事例を中心に、建築士としてどのように地域課題解決にとりくんだり、地域共同体の中でそのスキルを活かしていくのか?という内容。


◆基調講演
川向正人氏(東京理科大教授・小布施町まちづくり研究所所長)による小布施のまちづくりについての講演

・小布施まちづくり研究所所長 東京理科大教授
2005.07官学連携事業として、町長室となりに研究室設置。既に6年経過。
手づくりデータにより、全ての情報を研究所で閲覧できる。グラフやマッピングなどカラフルな色彩でわかりやすく表現している。
・建築士の立場は一般市民でもなく行政でもない。このような立場で地域の中でどう活躍していくのか?どうリーダーシップを発揮していくのか?
→コミュニティアーキテクト(建築士の技術を、どう地域共同体の中で活かしていくのか?)
・ブレインストーミング・ワークショップ→小学生中心
たたきWS、土壁WS、かやぶきWS、わらぶきWS・・・
実際の体験を通じて、時代の中で失われてきた技術などに光をあてる。講師はその道の職人・親方。
・大人向け講座は大学による出前講座、まち研による自治会への出前講座。学生により念入りなデータやグラフ、模型などの準備。市民に「あそこへ行けば勉強になる」と思わせるくらいの準備が重要。
・フィールドを持つ重要性
知識を得ても、それを生かす場が必要。これが小布施のまちづくり。
・仲間をつくり、巻き込みながらサスティナブル(持続性)をデザインしていく。

◆分科会「まちづくりと建築」川向教授

・火があり→人が集まり→言葉がうまれ(社会性の出現=まちづくり)→建築がうまれた
このまちづくりの部分をもう一度見直す必要がある。
・2つの原則
1)毛細血管としての「道」の復元・復活
公共施設を建設すれば人が集まる、と言う時代は終わった。今後は、それを毛細血管のようにつなぐ昔ながらの道路や水路を復活させるような取組が重要。またそれを維持管理してきたシステムが地域にはある(道普請や水利組合等)。それを生かすことが重要。
2)開かれた境界を意識したまちづくり
「建築とLANDSCAPE(景観)は一帯」と考えるまちづくりや「機能ではなく存在としての建築」を意識する。
・危機感の欠如
みんながそれなりに豊かになった時代。何が大切で何を守らなければならないのか?こういうことを話し合う場所や時間が今無くなって来ている。だからこそそういう場を作ることが必要。(これこそコストや売上を意識しない行政の役割ではないか?)
・ひとりではだめ。まちづくりには仲間が必要。人を巻き込み動かしていく仕組み。そのためには根回しも必要。
・各地域や各市町村にビジョンは必要。都市計画や都市空間のマスタープランの作成、これこそがプロである建築士がやること→この先に行政等との「協働」がある。
・多くの建築士は行政を「敵」としてみている人が多い。それは間違い。対等なパートナーである。
・波及効果ではなくどう使われるか?を考えることが必要。

※佐久穂町の事例→「いいずら」発掘隊
町民が中心に町内の景観を掘り出し、マッピングしていく事業。若い世代が中心。楽しみ。
※千葉県船橋市の事例
「なんてったって芝山」BLOGによるまちづくり情報の発信。アパート・マンション地域が抱える課
題解決。
(川向先生より)その場所に住むメリット、それを徹底的に具体的な数値(家賃や公園数、物価な
ど)で示すことが必要。またどんどん提案を行政等にすること
※建築の語源
建築とは「建てる(ハード)」「築く(ソフト)」の意味。今後は「築く」の面(プロセス、活
動、行動)を充実・重視していくべき。

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