20110822男女共同参画地域づくり講座



8/22は長野県の男女共同参画課とコラボで、男女共同参画地域づくり講座を開催。当初は、平日の昼間ということもあって集客にどきどきしたが、上司の猛烈な勧誘でなんと30名を超す参加者が!?(ボクはこういう能力は本当に低い。)

講師は、地域づくりや男女共同参画のプロフェッショナルのフリージャーナリストの内山二郎氏。
地域力創造人材データベース 人材情報
地域づくり人材データ ...
地域づくりデータベースより




以前、今回と同様の内山さんが講師を務めたワークショップに参加したが、参加者全員が色がついた紙を持ち、質問の答えをその紙を上げることで答える、というもの。
今回も同様の手法で、ワークショップを行った。県の担当者の方からは「本事業は開始して4年目。やってみて思うのは、どう『固定概念』を崩すか?」ということ。
さあ、今回のワークショップでどこまで「固定概念」を崩すことができるのか?

パネリスト
出席者のほかに、パネラーが3名。私の上司(男性)と町で唯一の女性議員、そして子育て支援センターのコーディネーター(女性)。
●子育て支援Cコーディネーター
・昔と比べて些細なことをセンターに相談するようになった。これは核家族化、そして家族内でも世代間でつながりの希薄がある。
・これを打破するのは、仲間作りやネットワークづくりが必要。
●上司
・町内の女性グループは点で頑張っているが、まだ共有・ネットワーク化が出来ていない。これをやることが行政の仕事。
●女性議員
・町内の頑張っている女性たちはたくさんいる(農業、介護、福祉、子育てなど)。これがつながっていないことが課題。
・男性も自分たちの活躍の場所を探している。こういう場所や機会をつくることが重要。

アイスブレイク
ここで、内山さんがアイスブレイクを入れる。「セレブ式紹介」。できるだけ会場内の多くの人と5分間の間に握手を交わしながら自己紹介をする、というもの。これで会場内の堅い雰囲気が一気に変わった。

参加者からの意見
4問程度の質問から、パネラーを含め参加者の皆さんも紙を上げる。それに基づいて内山さんが会場内の参加者やパネラーにマイクを振り、本音を引き出す。先ほどのアイスブレイクの効果もあって、下のような本音の課題が続出。このあたりの内山さんのファシリの技術、本当に凄い!
●若い人たちのまちづくりへの参加について。
・なかなかボランティアの精神が理解されない。
・若い人たちが、そもそも参加する場がない。
・青年部、消防団に加入する青年が少ない現状。
・若い世代の数が、そもそも少ない。
・若い人たちに積極的な姿勢が見られない。
●人間関係について
・以前に比べ希薄。
・孤独死は、もう都市部のことではない。
・先ほどの若い世代の方々の課題も含めて、問題の本質はここにあるのではないか?
●女性のまちづくりへの参画について
・議会や農業委員などにももっと女性が出てもいいはずだ⇒ただし縛り(ルール、法律、条件)もあるのが現実
・一戸一票制度があり、女性の意見が反映されにくい
・ボランティアや介護の分野では女性のリーダーが多いが、自治会や行政の世界では女性は少ないのが現状
・女性が参加する枠組み、仕組みをつくり、その中で女性が経験を積めば必ず変化する
・参画する意識や意欲、これが一番大切。
・上記のような意識や意欲の醸成には、学ぶ場や参加する場を創出することが重要。そのためには発想の転換が必要。
●ワークショップの醍醐味
・多様な意識、意見⇒正否の問題ではなく、「この人はこういう意見を持っているんだな~」と気づくことの重要性。
・今回のワークショップからもわかるように、みなさんの課題は共通している。このことに気づくことの醍醐味。

ボクの気づき
・課題は「参加する場」「発言する場」「学習する場」の設定。これは、参加者の皆さんやパネラーの皆さんも意見も共通。これは男女共同参画に限らず、自治組織の問題にも共通する。
・もう一つは、新しいアイディアとは、既存にあるものを掘り出し磨き、そして「結びつける」こと。いきなり無からひらめくのではなく、今ある資源同士をくっつけること。固定概念を崩すとは、こういうことではないか?ということ。

もう一つ、気づかされたこと
翌日、内山二郎さんから直接お電話を頂き、
「みなさんの意見も活発に出て、開始してからの4年間の中でも、一番よいワークショップでした。」とのお言葉を頂く。
また、自治組織の課題を解決する手法として、全国からの事例を集め、事例集を作成し配布したい、と提案したところ、
「う~ん、でもね、、事例集を作成して配布するよりも、直接地区の役員の方からその事例を発表してもらって、そのあとディスカッションしたほうが、地域のためになるよ。そういう機会を作りなさい。」とアドバイスを頂いた。
今年中にはぜひ開催したいなあ、と。実際、新しい取組を始めた当時の担当者の方から、その時の背景や苦労を聞き、「じゃあ、自分たちの地域では、どういうことが出来るかな?」と考えることが必要。

リニアを見据えた南信州の自治のリテラシーの向上
今、南信州ではリニアの駅の場所に論点が集中している。確かにこれも重要なことだが、何よりも短時間で人そして思想や文化が流入・流出する影響も考えなくてはいけない。そういう影響がある中で、将来的にどんなまちづくり、地域づくりを目指すのか?そういう議論、そして今から行動が必要。
そんなときに、普段から地域の課題や悩みについて、町全体が話し合う、議論しあう、対話する、という風土を根付かせておく必要があるではないか?と思う。
それが、(大杉教授が言うところの)自治のリテラシーを向上させることなのではないか?そしてそのことが、リニアというものが来ても、南信州の自治(らしさ)を築いていける地域づくりができるのではないか?と本心より思うのです。

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