20111013 馬路村ゆずの仕掛け人、松崎了三さんの講演会


 下伊那北部総合事務組合の講演会で、馬路村ゆずの仕掛け人、松崎了三さんの講演会へ参加。そのときのメモから抜粋。

●当初の馬路村
・同じ高知県でも馬路村を知らない状態だった。
・まず、知られていなければ物は売れない。(だから巨額なお金を投資して広告を大企業は行うのだ。)
・人口は1,500人、10,000頭のいのししなどが周辺に…

●ゆずの販売
・当初から8,000万円の売り上げ、現在は33億くらい。役場の年間予算額が16億。

●なぜ、馬路村のゆずは成功したのか?4つのポイント
1)情報・イメージ
・イメージされない店は100%売れない。
・馬路村は都会も高知も隣村も追いかけないことにした。
・堂々と田舎、しかも村、人間を売りとした。
・ポスター等はゆずより村や人間を主役にした→見て物語や会話が生まれるポスターを作ること
・嫁が「おはよう」と返してくれる情報を出さないとダメ!
人間は人間に反応する
だからこそ情報発信を常にしているか?お金をかけているか?いまだに建物や道路にお金をかけていないか
2)価値
価値とは変わるもの。1年間変わらなければ、価値は40%ずつ下がると言われている
役場の価値や役割も昔とは変わっているはず、でも同じ事をしてないか?
・価値には物質的価値と精神的価値がある。
・例えば釣りに行き、①奥さんが笑顔で作ったおむすびと②投げつけられたお小遣いで買ったコンビニのおむすび、があるとする。
・②は確かにお腹は満たされるがこれは物質的価値でしかない。効率や費用対効果の流れ。最終的には価格競争に巻き込まれ、特産品は絶対負ける。米国や中国の価格には勝てっこない。
・特産品というものは、どうしても手間がかかるため高くなる。これをどう支援するか?
「高いから売れなかった」ではなく「価値をつけることが出来なかった」と考えるべき
・高く売るため、高い価値をつけるために「知恵」が必要
・例えば料理は普通の田舎料理だが、それに大金を支払う人がある。これは人に対して、その人の礼儀やもてなしに対してお金を支払っている。
・その地方の空気や文化なども伝えることが重要になる。
・このように価値が変わってきているのに、まだ大量生産や効率化を求めてないだろうか?
・生産側がやることは2つ。「約束をまもること」「うそをつかないこと」。
・不作のときは正直に「物がない」「だから今年は売れない」ということも重要。
・それが「信頼」となり、お客ができる。ブランドはお客様がつくるもの
・その地へ行ったことがわかる「印」となる特産品作りが必要。
3)融合
・一次産業、二次産業、三次産業をなるべく一緒にする。
・馬路村では、生産から加工まで全て行っている。
・また、特産品と観光を分けてはいけない。役場の部署でも分けているところがあるが一緒にすべき。
・観光と食を一緒にとらえる、というように情報をコントロールすることが重要。
4)顧客
・馬路村では「特別住民票」という取組を行っている。馬路村のファンを作る仕掛け。
・この「特別住民票」を持っている人は、村長室に来て村長と写真が撮れる。今まで420/3800人の人が実際に来た!
・また村長の名刺には村の温泉の入浴券がついている。こういう仕組みを作っているか?これは役場がやるべき。
・こういうバカらしい企画は、今までの役場とは全く逆の位置にいる、がこれからこういうことをやっていくのだ。今までの延長線上には無い発想が必要。
・「なぜ客が来なくなるのか?」これを真剣に考える必要がある。
・「応援したくなるチーム(町や役場)か?」になることが重要。そのためには挑戦することが欠かせない
・例えば作り手の想いが食卓まで伝わる仕掛けがあるかどうか?
・物をつくることが大変だなあ、大切だなあ、と思わせる取組を今までしてきたか?
・これをしっかりしていれば、子どもたちは大人になっても自分の町の物を値切らずに買い続けるはず。(実はこういうところが本当の「食育」でもある。)
考え方に惚れると、口コミで広がる。考え方を如何に伝えるか?これが重要
これからは…
女性の視点や感覚を必ず取り入れること。こうしないと新しいビジネスモデルはできない。おっさんたちが「いいなあ」と思うものは、絶対上手くいかない。
・役場は攻めるべき。おそらく町の中で一番大きな(恵まれている)企業は役場ではないか?そこが挑戦しなくてどうする?
・課長の椅子は大した椅子ではない。だから課長の皆さんは、どんどん挑戦してほしい。

ごっくん馬路村について
・村公認、としているが、実は正式に公認はもらっていない、が、今は役場も応援してくれている。
・商品に自分たちの村のことを記載、もっとこういうことをすべき。
・馬路村こだわりセット、というものがあるが緩衝材の代わりにタオルを入れている。ゴミを出さない仕組みづくり。

馬路村がやってきたこと
・こういうことは本当に手間がかかることだが、こういう考え方が伝わることが重要。
大手企業がやらない、東京がやらないことを手間をかけてやる、これが「馬路村を応援したい」ファンをつくる
・年賀状やカレンダーはともかく、請求書でもお客を喜ばすことができる。
・常にこういうことを考えている。

実は2年前の地域リーダー養成塾の視察研修で四国に行ったときに、愛媛の道後温泉前のお土産店で「ごっくん馬路村」を飲んでいた。まさかそのときには、こういう戦略が裏側にあるとは思いもよらなかった。でも、デザインが気になって写真は撮ってあった。

講演会終了後は、松崎さんを抱えて他町村の担当者と一緒に懇親会。飲んでも全く変わらず、想いは熱く話は面白く、あっという間に23時過ぎに。
高森町でも蘭植物園を抱えている。個人としては松崎さんにはぜひアドバイザーとして関わってほしいと思った。

★今日のエクササイズ★

夜中に目が覚めてしまい、どうしても寝れないから腹筋しちゃった。

★今日のミュージック★
CMの曲。歌詞がストレート(過ぎて)で、良い感じ。


★今日のキラーフレーズ★
 甲本ヒロト
「あの時ああ言ったじゃん、って言われても、あの時はあの時だし。」
人は日々変わるものだ、価値感がどんどん変わるように。

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