20131226 松本大学 白戸洋教授講演会(高森町社会教育講演会)


白戸洋先生の講演会に参加

松本大学の白戸洋教授の講演会に参加。白戸先生の講演を聞くのは3回目だが、先生のご経験から来るお話しは、やっぱりわかりやすく面白い。

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公民館役員の憂鬱

・役員のなり手不足、後継者不足、みんなやりたがらない
・他人は「あの人は好きでやっている」と見るが、本当は「気弱で、じゃんけんに弱い運の悪い人」がやっている…
→じゃあ、公民館の未来は暗いのか?

公民館活動の変遷

・弱体化してきた!?端的に言えば「やることがなくなってきた」
・昔は、産業振興・農業振興・生活改善・保健活動などが基本
・ただし、今の時代は情報にあふれ独学もでき、お金があれば解決し、また行政がなんでもやってしまう時代になってきた
・そこでいわゆる公民館は「個人の教養を深める」方針へ→じゃあ、カルチャーセンターと何が違うのか?
・松本でアンケートをとっても「今の公民館は必要ない」「でも公民館のようなものは必要」という相反する2つの意見に集約→でもこれが本当の姿

地域づくりは必要ない!?

・考えて眠れないほど地域の将来を考える人はいない
・まずは「自分がどう生きるか?」を考えること
・ただし人は一人では生きられない
・人との関わりの中で、物事を考えること
・昔は良かったと言うが、これだけ多様な価値観がある社会で昔には戻れない→再構築が必要

公民館の出番がやってきた時代

・国の公民館に対する予算が新設。これは長野県の公民館活動をモデルとして成立。今が公民館の頑張りどころ。
・これからの公民館では「経済」「商業」というのがキーワード。単なるお金儲けではなく、地域内部の経済の仕組みを作るということ。今まで公民館ではこのキーワードはタブーだったが、これからはやっぱり必要。

震災復興活動を支援して見えてきた地域の2つの役割

1)「利害調整機能」…地域を把握し、物事の優先度を決められる機能
・これをどう地域の中で持つのか?被災地でこの機能がないところは復興も遅れていた。
2)人と人のつながりを創る機能
・震災という状況で被害者になるのは日頃から地域とのつながりがない人たち。阪神大震災では地域とのつながりが少なかった学生たちが被害にあった。
・「日頃からつながりがない」「そこに住んでいることを知られていない」→「知られていないから被害にあっていることもわからない」

こういう時代の中で、社会教育が果たす3つの役割

1)学習の拠点として
・座学ではない。社会教育でいう「学習」とは個人の課題を地域全体で共有するプロセスのこと。
・だからこそ、一緒に「歩きながら」「食事しながら」「お酒飲みながら」でも学習はできる。

2)自治の拠点として
・自治とはなにか?と難しく考えない。異質な人、嫌な人と一緒に暮らすための知恵・工夫のこと。
・多様な人が一つの地域に住むことと考える。

3)実践の拠点として
・意識を高めても行動は変わらない。ただし行動は意識を変える。
・100人の1歩より1人の100歩。100歩で立ち止まり振り返ることが必要。誰もついてこなかったら戻ればいい。
・行政や町内会では「公平性」が壁になりできないことが「公民館」だったらできる。そういう「実践できる」性格を持っている。これを活かさなければ。

 

今日のBOOK

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