【読書メモ】「易経」一日一言

<易経の考え方>
物事には春夏秋冬のような陰陽の道を反復する法則と転換期が必ずある。
その法則性を知り、目に見えない兆しを見る目を養おうとすることが易経。
陰陽の判断は絶えず変化し、また陰陽は変化し循環するだけではなく、混ざり合うことで進化する。
農業において春夏秋冬に合わせて作業を行うように、物事もその状態(時勢のみならず地域性、歴史なども含めて)を見極めて行う事を易経では説いている。



<元亨利貞(げんこうりてい)>『乾為天』
1)元・仁・春
元は万物の「始まり」。それは全てを慈しむ心から始まる。
道徳観で言えば仁。季節で言えば春。
2)亨・礼・夏
亨とは「成長」すること。これが道徳で言うところの礼につながる。
「亨は嘉の会なり」『文言伝』
礼とは情理、筋道、具体的には法律、制度、秩序。
3)利・義・秋
利は「実り」の秋。利とは刈り取る意味がある。私情・私欲を断ち、実りを得る。
それが道徳で言う義につながる。残すものと捨てるものを曖昧にせず分ける、非常に厳しいもの。
「利は義の和なり」『文言伝』「義を以て利と為す」政治を。※『理財論』山田方谷
4)貞・知・冬
貞とは「成就」のこと。季節で言うと冬。
道徳で言う知になる。知恵、知識は物事の根幹。
「貞は事の幹なり」『文言伝』

<一陰一陽>『繋辞上伝』
陰陽を繰り返し、人は螺旋状に成長していく(スパイラルアップ)。
例えば知行合一。学びは陰、それを発揮し社会に活かすのが陽。

<泰平を支える三徳>
「荒を包ね(仁:慈愛)、川を馮るを用い(勇:決断)、遐きを遺れず。(知:知識)」『地天泰』
1)荒れている状態も包み込むような寛容な心
2)川を徒歩で渡る勇気・決断力
3)将来まで見越した見識

<語源>
・積善の家には必ず余慶あり『文言伝』…積善会館
・国の光を観る。『風地観』p148…観光
・咸じて臨む。『地沢臨』…咸臨丸
・学もってこれを聚め、問もってこれを辯ち、寛もってこれに居り、仁もってこれを行う。『文言伝』…学問

<改革を進める時には?>
征けば凶なり。貞しけれどもあやうし。革言三たび就れば、孚あり。『沢火革』p178

<「親しい」とは?>
辛(鋭い刃物の意)で木を切る様子を近くで見て、自分も痛く感じること。そこから転じて相手の痛みも自らのものとして感じ、助け合う関係を親しむという。
決して自分の都合の良い相手、ただ楽しいだけの関係は、本来の親しいではない。

<謙>
「謙は亨る。」『地山謙』p116
易経において、謙虚・謙譲・謙遜こそが最高の徳。易経では陽の時こそ陰を生み出すことがリーダーの資質だと説く。

<中庸>
「中庸」とは、その時に適切な行動をとる、ということ。決して「波風を立てない」ということではない。
時と場合によっては、怒りや攻めもある。

<六龍>
「時に六龍に乗り、もって天を御す。」『乾為天』
1)潜龍・・・高い志を描き、力を蓄える段階
2)見龍・・・基本を修養する段階
3)君子終日乾乾・・・創意工夫から独自性を生み出そうとする段階
4)躍龍・・・独自世界を創造する手前の段階
5)飛龍・・・1つの志を達成し、隆盛を極めた段階
6)亢龍・・・極まって衰退する段階
自分が今どの状態にいるのか?その立場をわきまえて、その時にできることを精一杯行う。


僕の尊敬する方から「四書五経」を紹介され、その中でも「読みやすい」ということで紹介された「易経」。今回のメモは、その中でも気になるフレーズをメモってみました。
これをA4の紙に印刷し、手帳に挟んで「スキマ時間」に読むようにしています。(レバレッジ・メモ)


みなさんには「陰陽Yen-Yanロゴ」で馴染み!?があり、しかも「占いだろ?」という話しも聞くけど、真っ当な中国古典の一つです。
よく有名な経営者の方々が、日本や中国の古典を愛読されている、と聞きますが、なんとなくこの本を読んでわかるような気がします。


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