去年から、開催している「まちづくり講演会」。他のいわゆる講演会開催事業とは対象者等を絞り、自治やまちづくりの新しい仕組み等を知ってもらう講演会として位置づけている。
今年は「仲間づくりビジネス」と題して、コミュニティビジネスに関して基本的なことを学ぶ講座を企画・開催。
事務局の方も数回、隣の豊丘村に来たことがあるらしく、業務依頼の電話から何となくご縁を感じていた。
「御大の館、行ったこともありますよ!」なんていわれたときには、本当にビックリ。
講師の先生は、東京都小平市で活躍中のNPO法人Mystyle@こだいらの竹内千寿恵さん。
●竹内さんのプロフィールから
・転勤により、地域になかなか密着できず・・・
・二番目のお子さんを身ごもった時に、近くに長男を見てくれる親や親戚はおらず・・・
・当時、長男が通っていた保育園の保護者の方々に園終了後の子育て支援を相談〜依頼
・家族も子どもも喜び、そして受け入れてくれた保護者仲間ともWIN-WINの関係。
・このあたりからコミュニティビジネス(CB)について、真剣に考えるようになる。
●CBの定義・・・地域密着型社会貢献事業
1)地域における公共課題をビジネスの手法にて解決する方法の総称
2)住民の視点による市民事業、地域事業(地域雇用創出の側面、新規産業振興の側面も持つ)
・CBの活動範囲は行政のくくり(行政圏)ではない
●資源を活かす事!
人材、自然、情報・教育、歴史・文化、産業・社会、資金・・・こういうネットワーク資源が沢山ある町は強い!
※人も同じ!
●自分の地域の資源を見る
・例えば長野県は農家民宿数や農家数が日本一。では高森町は何が日本一?何が強み?
・一人で考えないでみんなで考える→集合知
●CBの手法で考える
・どことどこがつながれるか?
・どういった付加価値が付けられるか?
→そのためにはどんな手法がある?どんな資源がある?
→ここが一番楽しいところ!
●CBの考え方
・普通のビジネスは動物→美味しいエサをもとめて動く
・CBは植物→地域に根を生やして地域から栄養をもらう
・ビジネスは私益、ボランティアは公益、CBは共益
・「地域で、楽しく、適正規模で適正価格」がCBの基本スタンス、そしてみんなが主役
・行政と企業のスキマを埋めるのがCB→だから期待も大!
→だからこそ普通のビジネス以上にCBは舵取りが難しい!
●福祉から産業福祉へ
・長野県のデータから、65歳以上の有業率が高いと一人当たりの老人医療費は少ない
・徳島県上勝町(葉っぱビジネス)でわかるように、高齢化率と地域の元気は関係ない。
→朝起きて「さあて、今日はこれやるぞ!」という、やることがあることは幸せ
・こう考えると、福祉の別の側面が見えてくる→産業福祉へ
●CB事例
「くだものは1円でも高く県外へ、野菜は1円でも安く県内へ」
「適熟」へのこだわり・・・顔の見える生産者、厳しい基準→漂流岡山が農業者のブランドへ
生産者、消費者、漂流岡山との馴れ合いではなく「緊張感」をもった関係が重要
生産者を中心に小売店、消費者、デザイン、メディア等がネットワークを組み「地産地消ギルド岡山」を形成
このギルドでは、マスコミ、議員、行政、小売店担当者などを講師に招き、率直な意見交換を行っている
・グリーンオフィスさやま
団地発NPO・・・高齢化の進行、深刻化
まるた小屋・ビオトープの自立建設、団地の生ゴミリサイクルを行政より委託事業
基本は自治会が中心の組織だったが、「仕事という位置づけ」をすることでやりがいへとつながる
お葬式もNPOが行うようになってきている
地域はメダカの学校・・・埋もれている人材の発掘、活用
ゆるやかな結び合い・・・強制ではないゆるやかな結びつきこそが、知恵が出て、支え合い、牽引力を強化
・高齢社会の食と職を考えるチャンプルーの会
レストラン「サラ」をスタート・・・老後の生きがい、食事等への関心
自己資金、融資、そして知人やPRによる小額融資(10,000円〜20,000円程度)にて出資金を募る
レストランから宅配サービス、そしてフリースペースへ展開、さらにはデイサービスへと発展
●CBへの一歩、自分のポジションを知る
・プロデューサー、プレイヤー、サポーター、事業者、消費者など・・・
・行政、企業、NPO・市民団体、大学、商工会、金融機関・・・
「自分が望むカタチで始めの一歩を」
●この指止まれ!の具体的な方法
人と人のつながり・・・ソーシャルメディアネットワークの形成
Twitter、Facebook、Mixiなどの新しいつながりの活用・・・高齢者こそ本当はこういうものが重要。
実際徳島県では「トクッター」というアプリが開発され、高齢者の安否確認が行われているらしい。
UstreamなどのLIVE中継も用いながら、国際竹けんだま大会を開催!
小平市と徳島を結び、新しい人と人のつながりが!
※実際、今回の講演会の前には竹内さんとはTwitterなどを駆使して、情報等をやりとり。
竹内さん自身は、想像していたとおり、本当にアクティブでキュートな女性。
実は僕自身は前述したとおり、CBSから竹内さんを紹介されたときにBLOGにて彼女のことを調べ、
そしてTwitterやFacebookなどで意見交換等をしていた。
だから、最初に茅野駅に迎えに行き出会ったときに「初対面」という気がしなかったのが、お互いの第一印象だった。
人の出会いとは不思議なもの。
こういう日本中で活躍している人たちに、もっともっと出会い、そして住民の方々と結びつけ、そうすることで自分が住む町を元気にすることが僕たち公務員の仕事だと、改めて思う。
「高森町でも高森版Facebookみたいなものを始めて、そこから人と人をつなぐ仕掛けも面白いわよ」とアドバイスを。少し、考えてみようと思う。
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